シニア世代にとって、住宅の安全対策やバリアフリー化は欠かせません。いざ家の改修を検討すると、「費用はどうなるの?」「そもそも制度はどんなものがある?」など、不安や疑問が募りがちですよね。
実は、国の介護保険制度や自治体の助成金制度を上手に活用すると、改修費用の大部分をカバーできるかもしれません。今回は、そんな頼りになる2つの制度と、実際の改修で多くの方が検討する手すりの取り付けについてわかりやすく解説します。
1. 介護保険制度による補助金
● どんな人が使えるの?
まず「要支援」または「要介護」の認定を受けた方が対象。病院や施設に入居していない、自宅で暮らしている高齢者が利用できる制度です。住民票のある住所と改修予定の住宅が一致していることも大切な条件なので、引っ越しを予定している方は注意が必要です。
● どんな改修が対象?
手すり取り付けや段差解消、滑りにくい床材への交換、和式から洋式トイレへの変更など、高齢者が転びにくくするための工事がメインです。
イメージしやすい例を挙げると、玄関の上がり框(かまち)に手すりを取り付けて靴の脱ぎ履きがラクになったり、浴室やトイレに設置して立ち座りの負担を軽減するなど、日常でよく使う場所が中心と考えるとわかりやすいでしょう。
● いくらまで補助される?
住宅改修費として上限20万円が設定され、自己負担は所得に応じて1~3割です。たとえば、「補助割合が9割」の方の場合は、18万円まで支給される可能性があります。ただし、一度全額を使い切ってしまうと再度の利用には制限があるので、計画的な改修が必要です。
2. 自治体独自の助成金制度
● 介護保険の補助だけじゃ足りない場合は?
全国の自治体には、介護保険の対象にならない工事や、上限を超えた部分をサポートしてくれる制度が用意されている場合があります。たとえば東京都の足立区では、条件を満たせば最大30万円の助成金が出るケースもあるんです。
● ただし、併用には要注意
一部の自治体は、介護保険制度を利用していると自治体独自の助成金が受けられない場合も。逆に、自治体によっては介護保険との併用を認めているところもあります。条件や対象工事は地域ごとに異なるため、必ず役所やホームページをチェックしましょう。「せっかく改修したのに助成が受けられなかった!」なんてことにならないよう、事前確認が重要です。
● 指定業者かどうかもポイント
住宅改修を依頼する会社にも制約があることがあります。
自治体や介護保険では「指定された業者で工事をすること」を補助条件に入れている場合が多いからです。
万一、指定業者でないリフォーム会社に依頼してしまうと、補助金が支給されないことも…。契約前に「この業者は使えるのか?」を必ず確認しましょう。
3. 手すり取り付けの重要性
改修の相談で多くの方が最初に考えるのが「手すりの取り付け」。転倒防止はもちろんですが、それ以上に生活の質を大きく変える効果も期待できます。
● 安全面がぐっと高まる
廊下や階段、トイレ、浴室などに手すりがあるだけで、高齢者が移動する際の不安がかなり軽減されます。
日々の入浴やトイレの際、「怖くて一人では動きにくい」と感じている方でも、手すりのサポートがあれば自立して行動しやすくなるのです。
● 自立を促し、介護者の負担も軽く
手すりがあることで、日常動作の多くを自分でやりやすくなります。
家族や介護者の手助けが減るため、周囲の負担も軽減。さらに、本人にとっては「まだまだ自分でできる!」という気持ちが生まれ、意欲的に生活を続けられます。
● バリアフリーの第一歩
住宅のバリアフリー化と聞くと大がかりな工事を思い浮かべがちですが、実は手すりをつけるだけでも立派な一歩です。
今は必要なくても、将来的に介護が必要になったときに「早めに手を打っておいて良かった」と思えるはず。住み慣れた家で安心して暮らせる土台づくりとして、早めの検討が大切でしょう。
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