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妻が年金を受け取ることが夫の年金に与える影響

「えっ、妻が年金をもらうと、夫の年金って減っちゃうの?」

意外と多くの方がこんな不安を抱えています。でも、実は妻が年金を受給することによって、夫の年金が“直接”減るわけではありません。ただし、夫婦全体の収入や年齢、受給している年金の種類によっては間接的に影響を受ける可能性があるのです。

この記事では、なぜそんなことが起こるのか、具体的な事例を交えながらわかりやすく整理していきます。最後まで読んでいただければ、ご自身のケースに当てはめるヒントがきっと見つかるはずです。

目次

1.「妻が年金をもらう」と夫に起こり得る主な変化

1-1.年金そのものの金額が直接減ることは少ない

まず大前提として、妻が自分の老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給し始めても、夫の年金額がその瞬間にストンと減ることはありません。年金制度は、夫婦それぞれが拠出した保険料や加入期間に基づいて計算されるため、「妻が受給しているから夫の分を減らす」という仕組みはないのです。

1-2.「加給年金」が停止される場合がある

一方で、夫の年金に“上乗せ”される「加給年金」には注意が必要です。夫が厚生年金を受給している場合、配偶者(妻)が65歳未満で一定の収入要件を満たしているときに加算される手当があります。しかし、次のようなケースでは加給年金がストップすることがあります。

  • 妻が65歳になったとき
    通常、妻が65歳になると夫に付いていた加給年金が停止し、その代わりに妻自身の年金(老齢基礎年金など)が支給され始めます。そのため、夫の受給額は見かけ上“減る”ように感じられるかもしれません。

  • 妻の年収が850万円以上になったとき(2023年現在の目安)
    妻がパートや正社員として働き、年収が高額になると加給年金が停止される場合があります。

【具体例】

  • 夫が65歳、妻が60歳でパート勤務
    妻が高収入パートで年収850万円以上になると、夫の年金に加算されていた加給年金が打ち切られ、年間約22万4,900円(2023年時点)の加給分が受け取れなくなる可能性があります。

こうした“加給年金の停止”は、結果として夫の年金額が減るように見える主要な要因です。


2.税金や社会保険料による“間接的”な影響

2-1.配偶者控除・配偶者特別控除の適用外になる

妻の年収が増えると、夫の所得税や住民税を抑える効果がある「配偶者控除」や「配偶者特別控除」が適用されなくなるケースがあります。年金も収入としてカウントされるため、妻の合計所得が103万円を超えると夫の税負担が増えるかもしれません。そうなると、手取りベースで夫の可処分所得が減るため、「なんだか夫の収入が少なくなった」と感じてしまうわけです。

【具体例】

  • 妻が自分の老齢基礎年金を受給し始め、年間収入が103万円を超える
    夫が受けられていた配偶者控除がなくなり、夫の所得税・住民税が増える。結果的に夫の“手取り”が減少する可能性がある。

2-2.社会保険料もアップする?

夫婦全体の収入増に伴い、国民健康保険料や介護保険料が引き上げられるケースもあります。特に高齢になると医療費や介護費用が増えやすいため、社会保険料の変動には気を配りたいところです。


3.「振替加算」ってなに?

妻が65歳になり、自身の老齢基礎年金を受給し始めたとき、「振替加算」という仕組みが適用される場合があります。これは、かつて厚生年金の被保険者期間があった妻が、国民年金だけでなく追加の加算を受け取れる可能性がある制度です。

  • 夫の年金が直接減るわけではない
    振替加算はあくまで妻の年金に対して加算されるものなので、夫の年金額を圧迫するようなことはありません。むしろ、加給年金が停止するタイミングで妻が受け取る年金が増えるという仕組みになっているのです。

4.夫が先に亡くなった場合の「遺族年金」

「万が一、夫に先立たれたら、妻の年金はどうなるんだろう?」と不安になる方も少なくありません。夫が亡くなった場合、妻には「遺族厚生年金」が支給される可能性があります。ただし、妻自身の老齢厚生年金を受給している場合は、その金額と遺族厚生年金の額を比べて、多いほうに加算方式で受け取ることが原則です。つまり、妻の老齢年金と夫の遺族厚生年金を重複して満額もらえるわけではない点に留意しましょう。


5.まとめ:夫婦で年金と収入の最適バランスを考えよう

  • 夫の年金は“直接”は減らない
    妻が年金を受給しても、夫の年金自体が即座に減額されることはありません。
  • ただし、加給年金が停止する可能性
    妻が65歳になったり高収入(850万円以上)になったりすると、夫の年金に上乗せされていた加給年金がなくなるケースがあります。
  • 控除や社会保険料の影響は要注意
    妻の収入増で配偶者控除・配偶者特別控除が外れたり、保険料が上がったりすると、夫婦全体の手取りが減少する可能性があります。

年金と税金のルールは複雑で、受給のタイミングや働き方によって結果が大きく変わることもしばしば。たとえば「妻が年金を繰り下げ受給してパートで稼ぐほうが合計額が多くなる」など、状況によっては意外な選択肢が得策になる場合もあります。そんなときは年金事務所や税務署、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談すると安心です。

「なんとなく不安」で済ませるのではなく、自分たちにぴったりの受給タイミングや働き方を見つけるのが、夫婦で上手に年金を活用していくコツ。ぜひ夫婦で情報をシェアしながら、将来の資金計画を前向きに考えてみてくださいね。

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