配偶者が亡くなったとき、子供がいる家庭はどうすればいいのか――。
突然訪れる「その日」に、心の準備ができている人なんて、ほとんどいないと思います。
私たちは普段、日々の生活に追われて、将来の不安や制度の細かい仕組みなんて、後回しにしがちです。でも、ある日を境に、当たり前だった毎日が大きく揺らぐとき、国が用意してくれている制度――たとえば「遺族年金」について、ちゃんと知っているかどうかで、その後の暮らしは大きく変わることになります。
今日は、そんな「遺族年金」について、特に“子供がいる場合”のケースに絞って、できるだけわかりやすく、でも丁寧に解説していきたいと思います。実際の体験談も交えて、現実に即した情報をお届けします。
「万が一」は、遠い話じゃない。
いま、この記事を読んでくださっているあなたにも、「自分には関係ない話」と感じる方がいるかもしれません。でも、実際に配偶者を亡くした方たちの声を聞くと、「もっと早く知っておけばよかった」「手続きが遅れて損をした」という言葉が本当に多いんです。
そんな後悔を少しでも減らすために、この記事が一人でも多くの方の助けになればと思っています。
まず最初に、「遺族年金って、誰がもらえるの? いくらもらえるの?」という基本的なところからお話ししていきましょう。
■ 遺族年金には2つの柱がある
配偶者が亡くなり、子供がいる場合、もらえる可能性のある遺族年金は、大きく2つあります。
1つは「遺族基礎年金」、もう1つは「遺族厚生年金」です。
ざっくり言えば、国民年金加入者の家族に支給されるのが「遺族基礎年金」、厚生年金(会社員・公務員など)に加入していた人の家族には、これに加えて「遺族厚生年金」が支給されます。
■ 遺族基礎年金の仕組みと金額
2025年度現在、遺族基礎年金の基本額は約124万4千円。
そこに、子供の人数に応じて加算されていきます。
具体的には、子供が1人なら約37万4千円が加算され、合計で約161万8千円になります。
2人いれば、約199万2千円。3人目以降は1人につき約12万4千円の加算です。
ただし、ここでいう「子供」とは、基本的には18歳になった年度末(つまり3月31日)までの子供が対象。障害のある子供の場合は20歳まで支給が延長されることもあります。
■ 遺族厚生年金はどのくらいもらえる?
これはちょっと複雑で、亡くなった方のこれまでの収入や加入年数によって金額が変わります。
おおまかには、本人がもらうはずだった厚生年金額の「3/4」が支給されると考えてください。
たとえば、月収30万円で25年間勤務していた場合、遺族厚生年金として月に5万〜7万円程度(年換算で60万〜84万円)が支給されるという計算になります。
つまり、遺族基礎年金+遺族厚生年金で、月15万円~25万円前後が支給されるケースが多い、というわけです。
■ 実際の体験談から学ぶ「現実」
言葉だけで説明しても、ピンとこないことって多いですよね。
そこで、実際に遺族年金を受給している方々の声をご紹介します。
――「会社員だった夫を、突然の事故で亡くしました。子供は二人。私自身は専業主婦で、経済的な不安しかなかったけれど、遺族基礎年金で年約199万円、さらに夫が厚生年金に20年加入していたので、月6万円の遺族厚生年金も受け取れました。合計で月22万円ほど。心の支えとまではいかないけれど、生活の土台は確保できたのは事実です。」
――「妻を病気で亡くしました。自営業だったので厚生年金には加入しておらず、もらえたのは遺族基礎年金のみ。子供は一人でした。月13万円程度。でも、児童手当と組み合わせることで、なんとか生活をつなげています。」
――「私はシングルマザーです。元夫と離婚していたのですが、その元夫が亡くなり、子供2人に対して遺族年金を受給できることを知りました。元夫が会社員で厚生年金に加入していたので、遺族基礎年金に加えて厚生年金分も支給。合計で月18万円ほど。まさか受け取れるとは思っていなかったけれど、本当に救われました。」
こういった声を聞くと、「遺族年金」がどれほど現実的な生活の助けになるか、実感できるのではないでしょうか。
■ 見落としがちな“注意点”
ただし、遺族年金にはいくつかの“落とし穴”もあります。
たとえば、配偶者の年収が850万円を超えると、遺族厚生年金が減額または打ち切られる可能性があります。また、再婚すると配偶者としての受給権は失われます(ただし、子供の分は引き続き支給されます)。
さらに重要なのが、「申請しないと受け取れない」ということ。
自動的にもらえるわけではなく、死亡後5年以内に申請をしなければ、権利を失ってしまう可能性があるのです。
申請時には、戸籍謄本、死亡診断書、年金手帳など、複数の書類が必要になるので、早めの準備が肝心です。
■ 最後にひとこと
「備えあれば憂いなし」とは、まさにこういうことだと思います。
誰かが亡くなったとき、その喪失感だけでも十分に大きいのに、生活の不安まで襲ってくるなんて、あまりに酷です。でも、知識があれば、対処できることはたくさんあります。
だからこそ、この記事を読んでくださったあなたには、もしものときに「知っててよかった」と思えるような、そんな一歩を踏み出してほしいのです。
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