「進学したいけど、家庭の経済状況が心配…」 「学費のためのバイトと授業の両立が難しい…」 「奨学金って結局どうなの?将来の借金が怖い…」
こんな悩みを抱えている学生や保護者のみなさん、私自身も大学生活をなんとか奨学金で乗り切った一人として、あなたの気持ちがよくわかります。教育にかかるお金の問題は、残念ながら多くの若者や家族の大きな不安材料になっていますよね。
でも、知っておいてほしいことがあります。今は様々な学生支援制度があり、うまく活用すれば経済的な理由で夢を諦める必要はないのです。この記事では、返済が不要な「給付型」と返済が必要な「貸与型」の学生支援金について、実際に利用した学生たちの生の声と共に、その期間や賢い活用法を紹介します。
私のアドバイザーとして協力してくれたのは、学生支援機関で7年働いた経験を持つ元職員と、実際に様々な支援制度を利用して大学を卒業した4人の若者たち。彼らの体験から学べる貴重な知識を余すことなくお伝えします。
「お金なんて話しにくい…」とためらわず、まずは知ることから始めましょう。
「返さなくていいお金」と「返すお金」の違いを知る
学生支援金は大きく分けて2種類あります。返済不要の「給付型」と、将来返済が必要な「貸与型」です。名前だけ聞くと単純な違いに思えますが、実際には申請方法や期間、条件などが大きく異なります。
「給付型奨学金」とは、文字通り返済が不要なお金です。国や自治体、民間団体が学生を支援するために給付するもので、学生にとっては「もらえるお金」と言えます。
「私が給付型奨学金の存在を知ったのは高校3年生の夏でした。先生が『家庭の状況によっては返さなくていい奨学金があるよ』と教えてくれて驚いたのを覚えています。それまで大学進学を諦めかけていたので、本当に救われた気持ちでした」
これは現在大学4年生の中島さん(22歳・男子学生)の言葉です。彼は月額3万円の給付型奨学金を受け取り、4年間で計144万円の援助を受けました。このおかげでアルバイト時間を週2日程度に抑え、研究活動に集中できたそうです。
一方、「貸与型奨学金」は一般的に言われる「奨学金」で、実質的には学生ローンです。日本学生支援機構(JASSO)が主に提供していて、無利子の「第一種」と有利子の「第二種」があります。
「最初は『奨学金』という名前だから、何となく『もらえるもの』というイメージがありました。でも実際は借金なんですよね。この認識の甘さが後々苦労する原因になってしまいました…」
専門学校を卒業した山田さん(24歳・女性)は、2年間で計192万円の貸与型奨学金を借り、現在返済に苦労しているといいます。彼女の経験には、多くの若者が陥りがちな落とし穴が表れています。
「期間」に注目する – いつからいつまでもらえるのか
支援金がいつ始まりいつ終わるのか、正確に理解しておくことは、経済計画の基本です。では具体的に見ていきましょう。
給付型奨学金の支給期間は、大学・短大・専門学校の場合、基本的に入学月から卒業月までです。最長で4年間、短大なら2年間となります。高校生向けの給付金は在学期間の3年間が一般的です。
支給開始は原則として4月と10月からで、支給は毎月行われます。ただし、初回の支給は審査の関係で遅れる場合があるため、最初の数ヶ月は別の資金源を用意しておくことが大切です。
「審査に時間がかかって、実際にお金が入ってきたのは6月でした。その間の生活費をどうするか、事前に計画しておかないと焦ります」と中島さんはアドバイスします。
貸与型奨学金の期間も基本的には在学中ですが、大学院なら最長2年、大学なら最長4年、短期大学は最長2年となっています。
月額の支給額は、第一種(無利子)では3万円から6.4万円の間で、世帯収入によって金額が決まります。一方、第二種(有利子)は2万円から12万円の間で自由に選択できます。
「月12万円も借りられるって聞くと『ラッキー!』って思っちゃうかもしれませんが、それは全部将来返すお金なんです。私は8万円/月を選んだけど、今思えばもっと少ない額にするべきでした」と山田さんは振り返ります。
そして見落としがちなのが返済開始時期です。貸与型の場合、卒業後7ヶ月目から返済が始まり、最長20年かけて返済することになります。つまり、4月に卒業したら11月には返済がスタートするのです。
「申請」のタイミングを逃さない – 計画的な準備が必要
多くの支援金制度で、申請のタイミングを逃すと1年待たなければならないケースが少なくありません。スケジュールを把握しておくことは極めて重要です。
2024年度の例で見ると、大学などの給付型奨学金は、4月入学の場合、前年10月から1月の間に申請が必要です。つまり、高校3年生の秋から冬にかけて準備しなければならないのです。高校生向けの給付型は、前年7月から9月に申請を行います。
「高3の秋は受験勉強で精一杯で、奨学金の申請まで手が回らないかもしれません。でも、ここを逃すと大変なことになります。私は母と一緒に、受験勉強の合間を縫って書類を集めました」
現在大学2年生の鈴木さん(19歳・女性)はこう語ります。彼女は早めに行動することで、入学直後から支援金を受け取ることができたそうです。
また、一度給付や貸与が始まっても油断は禁物です。多くの制度では、毎年「継続願」の提出が必要となります。これを忘れると、せっかくの支援が途中で打ち切られてしまうのです。
「友達がうっかり継続手続きを忘れて、突然お金が入らなくなって大慌てしていました。カレンダーにしっかり印をつけて、絶対に忘れないようにするべきです」と中島さんは警告します。
また、留年した場合には特別な延長申請が必要になることも知っておきましょう。単位が足りずに卒業が延びる可能性がある場合は、早めに学生課に相談することをお勧めします。
「実体験から学ぶ」- 成功例と失敗例
支援金について理解を深めるには、実際に利用した人の体験談が何よりも参考になります。ここでは、成功例と失敗例の両方を紹介します。
成功例としては、先に紹介した中島さんの例があります。彼は月額3万円の給付型奨学金を活用し、大学生活を充実させました。
「給付型奨学金のおかげで、アルバイトを週2日程度に抑えられたことが大きかったです。特に3年生からは研究室に入るので時間が必要になります。友人の中には週5でバイトして研究に支障が出ている人もいましたが、私はなんとか両立できました」
彼の経験から学べるのは、支援金は単にお金をもらうことが目的ではなく、それによって「時間」を買い、学業に集中できる環境を整えることの大切さです。ただし、継続のために必要な書類提出には気を配る必要があります。
「毎年6月に『所得証明書』を提出する必要があり、親の協力が不可欠でした。実家が遠方だったので、事前に親に説明して準備してもらいました。こうした事務的なことも計画的に進めないと大変です」
一方、失敗例としては山田さんの経験が教訓的です。彼女は専門学校在学中に月8万円の貸与型奨学金を借り、2年間で192万円の債務を抱えました。
「卒業後、思うような就職ができず、返済が本当に苦しくなりました。現在は『返還期限猶予制度』を利用していますが、借りる前に『本当にこの金額が必要なのか』『将来返せるのか』をもっとよく考えるべきでした」
山田さんは、卒業後の返済計画を具体的に考えないまま、提示された金額の中で多めの額を選んでしまったことを後悔しています。特に専門学校の場合、一般的な4年制大学よりも期間が短いため、総借入額は少なくても月々の返済額は同等になる可能性があります。
「『月8万円もらえる』と考えるのではなく、『月8万円の借金が増える』と考えるべきでした。特に専門学校は2年間なので、あっという間に卒業して返済が始まります。もっと少ない額にして、足りない分はバイトで補うという選択をしていれば…」
「突然止まった!」ときの対処法
支援金が予想外に止まってしまうケースもあります。このような事態に直面したとき、冷静に対処する知識を持っておくことが大切です。
よくある原因としては、継続手続きの忘れ、成績不振(GPAが基準以下)、世帯収入の急増(学生本人のアルバイト収入が基準を超えるケースも)などがあります。
「私の友人は親が再婚して世帯収入が増えたことで、給付型奨学金が止まってしまいました。突然のことで本当に困っていましたね」と鈴木さんは話します。
このような場合の解決策としては、まず日本学生支援機構(JASSO)に連絡することが挙げられます。状況によっては書類を再提出することで復活できる可能性もあります。また、大学の学生課に相談すれば、緊急貸付制度などの代替手段を紹介してもらえることもあります。
「支援金が止まったときはまず落ち着いて、すぐに学生課に行くことをお勧めします。一人で抱え込まず、プロに相談することが大事です」とアドバイザーの元職員は強調します。
「お得な活用テク」- 知らないと損する併用術
実は、様々な支援制度を組み合わせることで、より効果的な経済支援を受けられることをご存知でしょうか。
「給付型奨学金」と「授業料減免」は併用可能です。授業料減免は、条件を満たせば最大で年間70万円の授業料が免除される制度です。さらに、多くの地方自治体が独自の奨学金制度を持っており、これも国の給付型奨学金と併用できる場合が多いです。
「私は給付型奨学金の月3万円に加えて、大学の授業料半額免除と、地元の自治体奨学金2万円を併用していました」と語るのは、昨年大学を卒業した高橋さん(23歳・男性)です。
「結果的に月5万円の支援と、年間約30万円の授業料減免を受けられたおかげで、学生ローンを借りずに卒業できました。就職してから奨学金返済に追われている友人を見ると、併用テクニックを知っていて本当に良かったと思います」
彼のように複数の支援を組み合わせることで、貸与型奨学金への依存度を下げ、将来の返済負担を軽減できる可能性があります。ただし、民間財団の奨学金は併用に条件がある場合もあるので、事前の確認が必要です。
「家庭や先生に相談しにくい」問題をどう乗り越えるか
経済的な問題は、なかなか他人に相談しづらいものです。特に友人や先生に「お金がない」と言うのは勇気がいることでしょう。しかし、一人で抱え込むことは解決への道を閉ざしてしまいます。
「私は最初、家庭の経済状況を先生に話すのが恥ずかしくて、奨学金の相談ができませんでした。でも勇気を出して話してみたら、先生は何の偏見もなく親身になって制度を教えてくれたんです」と鈴木さんは当時を振り返ります。
高校生の場合、進路指導室や担任の先生に相談するのが最も近道です。多くの学校では、経済状況を理由に進学を諦める生徒を減らすために、様々な情報を持っています。
「先生方は毎年多くの生徒の進学をサポートしているので、あなたの状況を特別視することはありません。むしろ、早めに相談してくれることを歓迎しているはずです」とアドバイザーは言います。
大学生の場合は「学生課」が頼りになります。各大学には独自の支援制度があり、学内奨学金という選択肢があることも少なくありません。
「大学の学内奨学金は競争率が低いことも多いんです。みんな国の制度に集中するけど、大学独自のものを見逃している人も多いですから」と高橋さんはアドバイスします。
「未来の自分への投資」として考える
学生支援金について考えるとき、特に貸与型については「借金」というネガティブな側面ばかりに目が行きがちです。しかし、見方を変えれば「未来の自分への投資」とも考えられます。
「確かに返済は大変ですが、それによって得られる教育や機会を考えると、決して無駄な借金ではありません」と高橋さんは話します。「大事なのは、借りる額を必要最小限にすること、そして将来の返済計画をしっかり立てておくことです」
もし貸与型奨学金の利用を考えているなら、「所得連動返還型」の制度も検討してみてください。これは卒業後の収入に応じて返済額が変動する制度で、低収入時の返済負担を軽減できます。
「私が学生さんにアドバイスするなら、『返済シミュレーション』をしっかりやってほしいですね。例えば月5万円借りる場合、卒業後の返済額はいくらで、自分の想定する給料から考えて無理のない額かどうか。そこまで考えて決断してほしいです」とアドバイザーは強調します。
最後に – あなたの学びを応援したい
教育費の負担は、多くの若者や家族にとって大きな壁となっています。しかし、適切な支援制度を活用することで、その壁を乗り越えることは十分に可能です。
給付型支援金は4月から卒業まで(毎年の継続申請が必須)、貸与型は在学中全期間(返済計画が重要)と、それぞれの特徴をしっかり理解し、自分に合った制度を選びましょう。
「私のような経済的に恵まれない家庭の子でも、支援制度のおかげで大学に通い、やりたい研究もできました。今はそのおかげで希望の職業に就けています。お金の心配で夢を諦めないでほしい」という中島さんの言葉には、多くの若者への励ましが込められています。
もしあなたが進学を考えているなら、高校の先生や大学の学生課に早めに相談してください。また、すでに学生で支援金について悩んでいるなら、一人で抱え込まず専門家に相談することを強くお勧めします。
あなたの学びを、社会は様々な形で応援しています。その支援をうまく活用して、自分の可能性を広げていってくださいね。
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