年金生活。誰しもがいつかは向き合うその現実。
でも、実際のところ、毎月の年金受給額から「いったいどれだけ手元に残るのか?」って、正直なところよくわからないという人、意外と多いのではないでしょうか。
「年金だけで暮らしていけるのか不安だ」
「老後のお金って、実際にはいくらあれば安心なのか?」
こんな疑問を抱えながらも、誰にも相談できずにモヤモヤしてしまっている方へ。この記事では、年金から引かれる控除について「毎月20万円の年金」を例に、なるべく分かりやすく、そして人間味のある視点でお伝えしていきたいと思います。
数字だけでなく、私たちがどんなふうにお金と向き合い、どう老後の暮らしを描いていけるのか。そんなヒントを、一緒に考えてみませんか?
見た目の受給額にご用心。手取り額は思ったより少ないかもしれません
「年金20万円もらえれば、まあまあ安心かな」
そう思う方もいるかもしれません。ですが、ここに落とし穴があるのです。
年金の受給額というのは、あくまで「総支給額」。つまり、まだ税金や保険料などの各種控除を引かれる前の金額です。
実際の手取り額は、この控除が引かれた後の金額になります。これが意外と見落とされがち。
「もらえる額=使える額」ではないという現実に、あとから気づいて驚く人も少なくありません。
控除額の正体は、主に以下の4つです。
・健康保険料(国民健康保険 or 後期高齢者医療制度)
・介護保険料
・所得税(ただし年金控除あり)
・住民税
この4項目はどれも、私たちが生活する上で欠かせない「社会の仕組み」に基づいています。しかし、その金額は人それぞれ大きく異なるのが実情。
では、どれくらい差が出るのでしょうか?
一緒に、ひとつずつ具体的に見ていきましょう。
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健康保険料 ー 健康を守るには、毎月約5,000~8,000円の出費も
65歳を超えると、私たちは「国民健康保険」または「後期高齢者医療制度」に加入することになります。どちらも医療費の自己負担を減らす仕組みですが、当然ながら保険料は発生します。
金額は地域や所得によってバラバラですが、おおよそ毎月5,000円〜8,000円の間が目安です。
たとえば東京都内の平均的な年金生活者で、年収が130万円前後の方であれば、6,000円前後が一般的というデータもあります。
「病院に行く機会が増えるかもしれないからこそ、保険は大事」と思いつつも、毎月確実に引かれていく金額としては、やはり大きいと感じる人もいるでしょう。
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介護保険料 ー 「備え」のつもりが、思ったより高くつく?
介護保険料は、65歳以上になると全員が支払うことになります。
この制度は、要介護状態になったときに介護サービスを受けるための費用をあらかじめ積み立てておく、というもの。つまり、将来への備えですね。
こちらも自治体や所得によって異なりますが、平均すると月額1,500円〜3,000円程度とされています。
「まだまだ元気だから介護なんて先の話」と思っていても、この保険料は自動的に年金から差し引かれます。逆にいえば、いざというときのための“お守り”とも言えるかもしれません。
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所得税 ー 控除のおかげでほとんどゼロ。でも油断は禁物
公的年金には「公的年金等控除」という強力な控除制度があります。
これは、ある程度の年金受給額までは所得税がかからないようにするための制度です。そのため、多くの年金生活者は、所得税がゼロまたはごくわずかで済んでいるのです。
たとえば、月20万円の年金(年額240万円)なら、所得税は0円〜せいぜい1,000円未満というケースがほとんど。
とはいえ、その他の所得(不動産収入や株の配当など)がある場合は話が変わってきます。「年金以外に収入があるかどうか」もまた、控除額に影響を与える重要な要素です。
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住民税 ー 意外と大きい落とし穴
住民税は、前年の所得に基づいて計算されます。
年金生活者であっても、前年にパート収入があった、退職金を一括でもらったなどの理由で前年の所得が一定以上あると、住民税の負担が発生します。
この額も、平均で毎月3,000円〜8,000円程度。
実は、所得税よりも住民税の方が重く感じられることも多いのです。
しかも住民税は、自治体によって「特別徴収(年金から自動で引かれる)」か「普通徴収(自分で納付)」のどちらかに分かれます。通知書をよく確認しないと、うっかり支払いを忘れてしまうこともあるので注意が必要です。
では、実際にどれくらい引かれるの?
ここまで挙げた控除項目をまとめてみましょう。
・健康保険料:5,000~8,000円
・介護保険料:1,500~3,000円
・所得税:0円〜1,000円(または数百円)
・住民税:3,000~8,000円
これらを合計すると、毎月10,000円〜20,000円程度が、年金から差し引かれることになります。
つまり、額面で20万円の年金を受け取っていたとしても、実際に手元に残るのは18万円〜19万円程度ということになります。
「けっこう引かれるな…」と感じた方もいるかもしれません。
でも、これは“老後の安心”を支えるための必要経費ともいえるのです。
控除を知ることは、未来を設計すること
「どうせ引かれるものなら、もう気にしないでおこう」
たしかに、それも一つの考え方です。
ですが、自分の毎月の“本当の収入”を把握しておくことは、生活設計において非常に重要です。
たとえば、手取りが18万円だとわかっていれば、
・家賃はいくらまでにするか
・食費や光熱費はどう抑えるか
・旅行や趣味にどれだけ回せるか
…といった具体的な暮らしの設計ができます。
逆に、「20万円もらってるから大丈夫」と思い込んでいると、
思わぬ支出に困ってしまったり、貯金が減るスピードが早まったりするリスクもあるのです。
まとめ:年金生活は「なんとなく」ではなく「正しく知る」ことが大切
年金生活は、決して他人事ではありません。
いつか必ず、誰もが迎える現実です。
ですが、「漠然とした不安」の正体をきちんと見つめてみると、
意外にも「思ったより対処できる」「備えられる」ことが多いと気づきます。
控除額を知ることも、その第一歩。
正確な金額は人それぞれ異なります。
年金受給が近づいたら、市区町村から送られてくる通知をしっかり確認したり、必要があればファイナンシャルプランナーに相談したりすることをおすすめします。
老後の暮らしは、誰にとっても大切な時間です。
だからこそ、「知ること」「準備すること」が、未来の安心につながります。
ほんの少し先の未来を、今日から一緒に考えてみませんか?
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